バスケットにおいてドリブルはとても重要なスキルです。
ドリブルスキルの1つである「ポケットドリブル」は非常に応用のきく技術です。
一度はコーチから指導を受けたり、youtube等の解説動画で練習した人は多いのではないでしょうか?
しかし、
「教わった通りにやっているのにうまくいかない・・・・」
「なんだかぎこちない気がする・・・・」
「自分はセンスがないんだ・・・・・・・」
こんな悩みを抱えている選手はいませんか?
その原因、あなたの「センス」ではなく、
「肩甲骨」の動きが悪いかも。
- ポケットドリブルがなぜ重要か
- ポケットドリブルの練習方法
- ポケットドリブル上達に必要な肩甲骨の動きの出し方
ポケットドリブルとは
「ポケットドリブル」=ドルブル中にボールを体の横(ポケット)に収めるドリブル技術です。
本記事ではポケットドリブルの方法を2種類紹介します。
①肩甲骨を大きく動かすポケットドリブル(ボールを守るのに特化)
②肩甲骨の動きは少ないポケットドリブル(攻めるのに特化)
まずは①の方法からご紹介します。
ポケットドリブルで難しいポイントは肩甲骨を動かすことのため、肩甲骨を大きく動かす①が出来ると、②の方法はさほど難しく感じないはずです。
肩甲骨を大きく動かすポケットドリブルについて非常にわかりやすく解説してくれている動画をご紹介します。
ポケットドリブルのメリット・デメリット
メリット
・ボールに触れている時間が長くなる(スティールされずらくなる)
・ボールをディフェンスから遠い位置でキープできる(スティールされずらくなる)
・一瞬のタメを作ることで、相手ディフェンや周りの状況を確認できる。
・ドライブ・シュート・パスなど次の動作がスムーズに行える。
デメリット
・うまく出来ないとダブルドリブルを取られ可能性がある。
・多用するとボールを持っている時間が長くなり、オフェンスが停滞する可能性がある。
※ボールに触れている手の親指が真上を超えて後に向くとダブルドリブルです。
“守り”に特化した肩甲骨の動きが大きいポケットドリブル
上で紹介した動画の中で紹介されていた練習方法を改めてまとめます。
練習方法の確認が不要な方は、読み飛ばして頂いて構いません。
※練習方法から動画がスタートするように設定しています。
ポケットドリブルの練習方法を確認したい方はこちら
最初の2項目は全て共通です。
①コーンを自分の正面に置く
②パワーポジションをとる
動画で紹介されていたリップコーンはペッドボトルなどでも代用可能ですが、様々なドリブルドリルの練習やステップ練習等で役立ちます。
特に小学生の選手に対しての練習では、ペッドボトルを置かれるよりも専用のアイテムを用意された方が、毎回モチベーションを保ちやすくなるためおすすめです。
Amazonなどでも購入可能ですので、以下のリンクからチェックしてみて下さい。
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パウンドドリブル
③コーンの横で強いドリブルをつく
オーバーザトップドリブル
③片手でドリブルし、コーンの横を交互にドリブルする
パウンド2ドリブルポケット
③コーンの横で強いドリブルを2回つく
④肩甲骨から腕を引き、ボールをポケットにおさめる
⑤3〜4を繰り返す
ワン・ツー・スリーポケット
③コーンの横(ドリブルしている手側)で強いドリブルをつく
④コーンの横(ドリブルしていない手側)で強いドリブルをつく
⑤コーンの横(ドリブルしている手側)で強いドリブルをつく
⑥肩甲骨から腕を引き、ボールをポケットにおさめる
ワン・ツーポケット
③コーンの横(ドリブルしている手側)で強いドリブルをつく
④コーンの横(ドリブルしていない手側)で強いドリブルをつく
⑤肩甲骨から腕を引き、ボールをポケットにおさめる
ワン・ツーポケットレッグスルー
③コーンの横(ドリブルしている手側)で強いドリブルをつく
④コーンの横(ドリブルしていない手側)で強いドリブルをつく
⑤肩甲骨から腕を引き、ボールをポケットにおさめる
⑥レッグスルーをしてドリブルする手を変える
ワン・ツーポケットビハインド
③コーンの横(ドリブルしている手側)で強いドリブルをつく
④コーンの横(ドリブルしていない手側)で強いドリブルをつく
⑤肩甲骨から腕を引き、ボールをポケットにおさめる
⑥ビハインドドリブルをしてドリブルする手を変える
ポケットドリブル上達には肩甲骨の動きが必要!!
ポケットドリブルは、腕を後ろに引く必要があります。
この腕の動きは、腕の骨である「上腕骨」と肋骨の上にある「肩甲骨」によってなされます。
特に、「肩甲骨内転」の動きを出すことがコツです。(肩甲骨を背骨の方に動かす動き)

肩甲骨が動かない選手にはいくつか原因があります。以下でその代表例を紹介します。
「小胸筋」が硬い
下の図は正面から見た図です。

胸の筋肉の一部で、体の深部にある筋肉が「小胸筋」です。
小胸筋は肋骨の前側から上に向かい、肩甲骨(烏口突起)までつながっています。
小胸筋が硬くなると、ポケットドリブル時に必要な肩甲骨内転の動きが阻害されてしまいます。
この小胸筋を柔らかく保つのが、ポケットドリブル上達のコツの1つ目です。
「菱形筋」が働いていない
下の図は背中から見た図です。

肩甲骨を背骨に近づける働きを持つのが「菱形筋」です。
図の上部の細い線維が小菱形筋、下の太い線維が大菱形です。
(まとめて菱形筋と言われる事が多い。)
菱形筋は肩甲骨を後から支え、動かす重要な役割を持つにも関わらず働きを失う事が多く、
「サボり筋」と呼ばれる事があるくらいです。
このサボり筋を働かせることも必要です。
「姿勢」が悪い

近年は、スマートフォンの普及により、姿勢が悪い人が急増している事がテレビなどでも盛んに問題視されております。
小学生でもスマートフォンを持っている子は年々増加し、子供の体力低下と共に、いつも姿勢が悪い我が子が心配な親御さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか?
姿勢の悪さ(猫背)は、肩甲骨の動きも悪くします。
試しに、自分の背中を丸めて、ボケットドリブルするように肩甲骨を動かしてみて下さい。
ほとんどの方は動かしづらさを実感できると思います。
姿勢を良くすることは行儀を良くするだけでなく、運動パフォーマンスにも直結します。
是非、改善したいものです。
猫背の改善を詳しく解説した記事もあります。
以下のリンクから参考にしてみて下さい。
肩甲骨の動き・姿勢を改善するエクササイズ
小胸筋の硬さ・菱形筋の働きを改善するエクササイズは様々あります。
ここでは、なるべく実践しやすい方法で、わかりやすく紹介されている動画をご紹介します。
理学療法士(運動指導の専門家)が実際に指導するようなエクササイズですので是非、試してみてください。
その他の方法に興味を持った方は、「小胸筋 ほぐし」、「菱形筋 トレーニング」などで検索するとたくさん見つかりますので、ご自身に合った方法、効果を実感できるものを探してみて下さい。
小胸筋ほぐし
菱形筋トレーニング
1:45までを参考にして下さい。
姿勢改善
①小胸筋ほぐし、②菱形筋トレーニングは肩甲骨を動かすためのエクササイズとして紹介しましたが、姿勢を改善する効果も期待できます。
猫背を作る直接の原因である胸椎(背骨)にアプローチする事でより姿勢改善の効果が期待できます。
ストレッチポールは市販されているものは様々なメーカーのものが存在します。
医療機関やトレーニング施設などで使用されているストレッチポールの多くは硬さが適度で、丈夫な商品が使用されています。
以下のリンクから一般の方も購入する事が可能です。
筆者のクリニックでは10年以上、患者様が相当な頻度で毎日使用していますが、破損等なく使用できています。
長く使う予定の方には是非おすすめです。
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“攻め”に特化した肩甲骨の動きが少ないポケットドリブル
肩甲骨の動きが大きいポケットドリブルは、体の後方にボールを持ってくるため、相手ディフェンスとの距離をとり、スティールされない事が最大のメリットです。
次に紹介するのは肩甲骨の動きが少ないポケットドリブル。
ボールが後方に動かない分、すぐに攻める事が出来るメリットがあります。
動画で解説してくれていた山本柊輔選手は上記動画の1年後に、自分の考え方をブラッシュアップし、よりスムーズに攻める方法として動画を公開しています。
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※肩甲骨の動きが少ない=上述したストレッチやトレーニングが必要ない訳ではありません。肩甲骨の動きがガチガチに硬くなり、この方法に必要な可動域すら動かせなくなっている方もいます。
まとめ
バスケットにおける、ポケットドリブルのスキルは、シュート・パス・ドライブなど次の動作にスムーズに繋げるために重要なスキルです。
ポケットドリブルの方法は2種類
①肩甲骨を大きく動かすポケットドリブル(ボールを守るのに特化)
②肩甲骨の動きは少ないポケットドリブル(攻めるのに特化)
ポケットドリブル上達のコツは肩甲骨内転の動きを出す事です。そのためには
・小胸筋を柔らかくする
・菱形筋を働かせる
・姿勢を良くする
事がポイントです。
今回の内容を実践してみて、スムーズなポケットドリブル習得を目指してみて下さい。
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