筋肉量だけじゃない! 瞬発力のある選手はこんなトレーニングをする!

パフォーマンスアップ

バスケットボールは瞬間的に速く動くための「瞬発力」と長く動き続けるための「持久力」の両方が求められるスポーツです。

「持久力」は走る練習をこなす事だけでも

「いつの間にか走れるようになった」

「練習が楽になった」

「持久走のタイムが縮まった」

という方もいると思います。

しかし、「瞬発力」をつけるためにはどんな練習を行なっているでしょうか?

成長期の終わった高校生以上の選手であれば、積極的なウェイトトレーニングが瞬発力upのために推奨されます。

トレーニングによる筋肥大により、発揮できる力がupする事で瞬発力の向上が期待出来ます。

それでは、成長期前の小学生・中学生はどうでしょうか?

当然、ハードなウェイトトレーニングは出来ないため、繰り返し動作を反復練習するしかないと考えている選手、指導者の方が多いのではないでしょうか?

そこで、今回の記事では筋肥大に頼らず、瞬発力upするポイントをお伝えします。

この記事でわかること

・瞬発力に関わる身体の仕組みを知れる

・筋力向上させずに瞬発力を上げるトレーニング

身体が動く仕組み

多くの人がご存知の通り身体を動かすためには筋肉を収縮させる事が必要です。

上図はふくらはぎのイラストです。

赤い部分は筋肉、筋肉と連結している白い部分は、腱が付着する部分がです。

全身に存在する筋肉のほとんどは

筋肉——–———

と連結しています。

筋肉が収縮し、縮む事で腱が引っ張られ、骨が動きます。(身体が動く)

この一連の動きが速ければ、瞬発力が高いと表現されます。

瞬発力と筋肉の関係

瞬発力を向上させるためには、筋肉を強く・速く収縮させる必要があります。

筋収縮によるエネルギーを生み出す仕組みは、よく拍手に例えられます。

人が拍手をして出来る限り大きな音を出すためにどうしたらよいかを想像して下さい。

①一緒に叩いてくれる人数を増やす

②出来る限り大きな手の大人を集める

③集まった人が叩くタイミングを揃える

などではないでしょうか?

筋力を発揮するのも同じで、強い力を発揮するためには

①働く筋繊維の数を増やす

②筋肉を大きくする(筋肥大させる)

③筋肉・腱を共同で使う練習をする

①②は主にウェイトトレーニングで向上が期待されます。

そのため、積極的なウェイトトレーニング実施が難しい年代の選手は③が重要です。

この記事では③の向上に必要な知識をお伝えします。

瞬発力アップに重要な”SSC”

SSC(Stretch Shortening Cycle)という言葉をご存知でしょうか?

SSCとは筋肉・腱を一度素早く伸ばしてから短縮させる動きの事です。

垂直跳びをする際に、ほとんどの方は一度沈み込んで反動をつけると思います。

この沈みこみにより、大殿筋、ハムストリングス、大腿四頭筋などが伸長され、その後に急激に収縮する事で大きな力が生まれます。

SSCにより大きな力を発揮出来る理由は

伸長される筋肉と腱の弾性作用(バネ作用)の利用、事前の伸長からの筋収縮による十分な力の立ち上がり時間の確保、伸長反射の利用などによるものとされています。

監修:石井 直方 「アスリートのための筋力トレーニングバイブル」 株式会社ナツメ社

重要なポイントは

1、バネの作用が生まれる事

2、伸張反射が発生する事です。

伸張反射とは?

伸張反射とは、腱(正確にはゴルジ腱器官といいます)が急激に伸ばされると、断裂の危険を感知し、意識とは無関係に縮もうとする反射の事です。

座って楽にしている状態で、膝の皿の下を叩くと、足が勝手に伸びていかないでしょうか?

これが伸張反射です。

トランポリンを使って跳ぶことと、地面から跳ぶことを比べて想像してみて下さい。

バネの作用・伸張反射はこのトランポリンのような役割をします。

伸張反射を利用するには?

もう一度トランポリンを使って高く跳ぶ事を想像してみて下さい。

高く跳ぶためには、トランポリンで沈んだタイミングで自分でタイミングよく全身で飛び上がるようにすると高く跳べます。

筋力をアップさせずに瞬発力を向上させるポイントはこれです。

伸張反射で生まれるエネルギーに上手くタイミングを合わせて自分の筋肉を収縮させる事。

このタイミングを練習する事で、筋力が変わらなくても瞬発力がアップする可能性があります。

伸張反射を利用したトレーニング

アンクルホップ

伸張反射を利用した練習をプライオメトリックトレーニングといいます。

人体の腱の中で最もエネルギーを蓄えられるのはアキレス腱だと言われています。

アキレス腱を利用したプライメトリックトレーニングが説明された動画をご紹介します。

このアンクルホップによる強化がバスケットに活きる場面は動画にもあるようにスプリントの場面。

速攻で直線をダッシュする場面や、相手の速攻を止めるためにダッシュで戻る時などです。

スクワットジャンプ

バスケットにおいて「パワーポジション」の姿勢を綺麗に取れる事は非常に重要です。

良いドライブ、シュート、デイフェンスのスタートはパワーポジションから始まる事が多いためです。

パワーポジションがうまく取れない選手はフォームの練習から始める必要がありますが、

綺麗なパワーポジションが取れる選手には是非、パワーポジションで行うプライオメトリックに挑戦してほしいと思います。

トレーニング方法が説明された動画をご紹介します。

このスクワットジャンプのトレーニングにより、大殿筋、ハムストリングス、大腿四頭筋などの伸長反射を誘発します。

これにより、ドライブの初速、ディフェンスの切り返しがが速くなる、ストップからシュートまでの時間が短縮するなどのパフォーマンスアップが期待出来ます。

まとめ

瞬発力アップに必要な伸長反射、プライオメトリックトレーニングについてお伝えしました。

今回お伝えしたトレーニングは筋肥大させずに瞬発力を向上させるための考え方です。

勘違いしないで頂きたい点は、パフォーマンス・瞬発力アップには筋肥大も必要です。

高校生以上の年代の選手には是非、ウエイトトレーニングにも取り組んで頂くことをお勧めします。

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