【バスケ】体力がつかない本当の理由|トップ選手ほど「◯◯◯」をやらない

バスケットボールのように持久力・体力を必要とする競技をプレーしていて

「毎日練習しているのに体力がつかない…」
「ゲームも走り込みもたくさんやっているのに走れない…」
「それなりにきつい練習のはずなのに、体力が伸びないのはなぜ?」

こんな悩みを持っていませんか?

こうした悩みは、選手だけでなく指導者にも共通ではないでしょうか。

「もっと走らせた方がいいのかな」
「練習量が足りないのかも…」

本記事では、持久系競技のトップ選手がどのようなトレーニングをしているのかを調べた研究をもとに、
体力がつかなくて悩む方に向けて具体的な改善方法を提案します。

実は、
頑張っているのに体力がつかない人ほど、
中等度トレーニング”に偏っている
可能性があります。

以下から詳しく解説します。


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目次

論文が示す事実|トップアスリートほど「中等度」が少ない

持久系スポーツの研究では、
オリンピックや世界選手権で結果を出している
トップアスリートのトレーニングに、
はっきりした共通点があることが分かっています。

Seilerの研究

持久系トレーニング研究で知られる
Stephen Seilerは、国際レベルのアスリートの練習内容を分析し、

  • 低強度:約80%
  • 中等度:ごくわずか
  • 高強度:約15〜20%

という、二極化した強度分布を報告しました。

以下のリンクから論文を確認できます。
↓↓

Seiler KS, Kjerland GO.
Quantifying training intensity distribution in elite endurance athletes: is there evidence for an “optimal” distribution?
Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. 2006;16(1):49–56.
doi:10.1111/j.1600-0838.2004.00418.x.
PubMed PMID: 16430681.

Tønnessenの研究

さらに、
Espen Tønnessenらは、オリンピック・世界選手権で成功した選手の
大会1年前の実際のトレーニング日誌を分析しています。

その結果はさらに明確で、

  • 低強度:約88〜92%
  • 中等度はほとんど行われていない
  • 高強度:約8〜12%

というものでした。

つまり、

本当に体力・持久力が高い選手ほど
「中等度トレーニングをほとんどしていない」

という、直感とは逆の事実が示されています。

詳細は以下の論文をご覧ください。
↓↓
Tønnessen E, Sylta Ø, Haugen TA, Hem E, Svendsen IS, Seiler S.
The road to gold: training and peaking characteristics in the year prior to a gold medal endurance performance.
PLoS One. 2014;9(7):e101796.
doi:10.1371/journal.pone.0101796.
PubMed PMID: 25019608.

なぜ「中等度トレーニング」はよくないのか?

中等度トレーニングは、ひと言でいうと「きついけど、全力ではない運動」です。

例えば

  • 息はかなり上がる
  • 会話はほぼできない
  • でも「まだ続けられる」と感じる
  • 全力スプリントほどの限界感はない

ではなぜ、
「そこそこきつい」
「一番やっていそうな」
中等度トレーニングが避けられているのでしょうか。

その理由は、
疲労と回復のバランスにあります。

中等度は「疲労が抜けにくい強度」

Seilerは別の研究で、
運動後に副交感神経(回復系)がどれくらい早く戻るか
を調べています。

その結果、

  • 低強度運動:回復が早い
  • 中等度運動:回復が遅いのに、頻度が増えやすい
  • 高強度運動:回復は遅いが、頻度は少ない

という特徴が明らかになりました。

中等度トレーニングは、

  • きつい
  • 心拍数も高い
  • 疲労感も強い

にもかかわらず、

  • 高強度ほどの刺激は得られない
  • 「全力ではない」ため繰り返しやすい

という、最もコストパフォーマンスの悪いゾーン
なりやすいのです。


参考として、以下に論文情報を記載します。
↓↓
Seiler S, Haugen O, Kuffel E.
Autonomic recovery after exercise in trained athletes: intensity and duration effects.
Medicine & Science in Sports & Exercise. 2007;39(8):1366–1373.
doi:10.1249/mss.0b013e318060f17d.

バスケットボールで「中等度」に当たりやすい練習メニューはこれ!

ここで、
バスケットボールの現場で中等度になりやすい練習
具体的に見てみましょう。

「よくやっている練習」ほど、
実は中等度にハマりやすい傾向があります。

① 長時間のゲーム(5対5をダラダラ続ける)

試合形式は一見すると高強度に見えますが、

  • 歩いている時間
  • 立ち止まっている時間
  • ボールに関与していない時間

が多く、平均すると中等度に落ち着きやすいのが実情です。

特に、

  • 10分以上連続で行う
  • 交代が少ない
  • 強度の指示がない

こうした条件では、

きついが、全力ではない
疲れるが、スプリントは少ない

典型的な中等度になります。

② 10分間走・12分間走などの持続走

10分間走や12分間走は、
ほぼ確実に中等度トレーニングです。

  • 選手は「最後まで走れるペース」を選ぶ
  • 無意識にペースを調整してしまう
  • 心拍は高いが、限界ではない

結果として、
疲労は溜まるが、体力は伸びにくい
状態になりやすくなります。


③ 休憩なしの連続ドリル

  • エンドレスレイアップ
  • 3対2→2対1の連続
  • トランジション系を止めずに回す

こうした練習も、

  • 心拍は高止まり
  • 全力スプリントは少ない
  • 徐々に動きの質が落ちる

という点で、
中等度に分類されやすい練習です。


④ 制限のないシューティング練習

  • 自分でリバウンドを取る
  • テンポ指定がない
  • 長時間続ける

このようなシューティング練習も、

  • 楽ではない
  • しかしきつすぎない

という、回復も刺激も中途半端な
中等度になりやすい練習です。


「中等度」を知るために役立つのがスマートウォッチ

ここまで読んで、

「じゃあ、自分の練習が
低強度なのか?
中等度なのか?」

そう思った方も多いはずです。

その判断に役立つのが、
スマートウォッチや心拍計です。

なぜスマートウォッチが有効なのか?

中等度トレーニングの厄介な点は、

  • 自分では「かなり頑張っている」と感じる
  • でも実際には限界ではない

というところにあります。

スマートウォッチを使えば、

  • 心拍数がどのゾーンにあるか
  • ゲーム練習が実は中等度に偏っていないか

客観的に確認できます。

「感覚」から
「データ」に変えるだけで、
練習の質は大きく変わります。

練習中のスマートウォッチをつけて練習するのは現実的ではないため、自主練での体力強化としておすすめします。

また、自主練はどんな内容で行うと体力向上に効率的なのかをまとめた記事もありますので参考にしてみて下さい。
↓↓
>>バスケで最後まで走り切る力を!「走り負けないチーム」を作るトレーニング方法

本当の問題は「疲労が回復していないこと」

ここで大切なのは、

中等度トレーニング=絶対にダメ

という話ではありません。

本当の問題は、

  • 中等度が多すぎる
  • 疲労が抜けない
  • その状態で次の練習をしている

という点です。

疲労が回復していない状態では、高強度トレーニングが狙ったようにできなかったり、
低強度のトレーニングも長く続けようと思っても集中力が続かなくなったりします。

この点については、
疲労回復・コンディショニングをまとめた別記事で
詳しく解説しています。↓↓

>>【バスケ】自宅でできる疲労回復ケアと道具|現場で使うおすすめ


まとめ|体力がつかない原因は「頑張り方」かもしれない

体力が伸びないとき、
多くの人は「もっと頑張らなきゃ」と考えます。

しかし論文が示しているのは、

  • トップ選手ほど中等度が少ない
  • 疲労を溜めない強度配分をしている
  • 回復を前提にトレーニングを組み立てている

という事実です。

もしかすると、

体力がつかない原因は
頑張りが足りないのではなく、
頑張りすぎていること

なのかもしれません。

ただ、誤解してほしくない点としては、筆者がここまで述べてきた内容は、
「中等度トレーニングは意味がない」
と言いたいわけでは、決してありません。

たとえばゲーム形式の練習を多く行うことで、

  • 判断力
  • 状況への対応力
  • 実戦での経験値

といった、バスケットボールに不可欠な能力は確実に伸びていきます。
これらは、低強度の練習や短時間の高強度トレーニングだけでは
身につきにくい要素です。

また、中等度トレーニングは回復が遅れやすく、
体力向上という点では効率が良いとは言えませんが、
**「とてもきつい強度を長く続ける」**という特徴があります。

そのため、練習終わりに行う10分間走のようなメニューは、

  • 体力の刺激
  • きつい中でもやり切る経験
  • 自分に負けない感覚

といった、メンタル面の強化につながる可能性もあります。

大切なのは、
中等度トレーニングを「悪いもの」として排除することではなく、

  • 何のために行うのか
  • どのタイミングで入れるのか
  • どれくらいの頻度で行うのか

意図的にコントロールすることです。

目的を理解したうえで行われる中等度トレーニングは、
体力・技術・メンタルをつなぐ
**“意味のある練習”**になり得ます。

一方で、目的のない「なんとなくきつい練習」が増えすぎると、
疲労が抜けず、結果的に成長を妨げてしまうこともあります。

だからこそ、
中等度をなくすことではなく使い方が重要だと考えています。

まずは一度、
自分の自主練習、自チームの練習メニューが「どの強度なのか」を知ること。

そこから、
体力をつけるために本当に必要なトレーニングが見えてくるはずです。

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