クレアチンは脳にも効く?|バスケ選手の判断力を高める栄養戦略【研究で実証】

「うちの子、試合になるとパスミスが増える」

「後半になると集中力が途切れる」

そんな悩みを感じたことはありませんか?

実はそれ、**脳のエネルギー切れ(=認知的疲労)**が関係しているかもしれません。

バスケットボールは「走る・跳ぶ・考える」を同時に行う“頭も身体も使うスポーツ”。

つまり、筋肉だけでなく脳も激しくエネルギーを消費しています。

近年の研究では、筋力アップで知られるクレアチンが、
「脳のエネルギー源」としても働き、判断力や集中力を支える
ことがわかってきました。

この記事では、
📘 研究で示された「クレアチンと判断力の関係」
💊 安全な摂取方法・おすすめサプリ
🍽️ 食事で自然に補う方法

などを保護者の方にもわかりやすく解説します。


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目次

クレアチンとは?|「筋肉のエネルギー」だけじゃない

クレアチンはもともと体内で作られる栄養素で、
筋肉や脳の中でATP(エネルギー)を再合成する働きを持っています。

もともとは「筋力アップサプリ」として知られていますが、
最近では脳のエネルギー源としても注目されています。

筋肉の疲労軽減
集中力・判断力の維持
脳のエネルギー代謝の改善

特に、「疲労時に判断力が落ちる」「集中力が切れる」といった場面で、
クレアチンが脳のエネルギー供給をサポートするという研究が増えています。


研究紹介|「クレアチンが判断力・技術精度を高める」

2024年、中国・上海体育大学のJunyu Wu氏らは、青少年バスケットボール選手を対象にクレアチン摂取がバスケットのパフォーマンスに効果的かを検証しています。

原文を確認したい方はこちらから
↓↓

Wu, J., Qiu, P., & Li, Y. (2025). Acute creatine supplementation enhances technical performance in adolescent basketball players under cognitive-motor dual-task condition. Frontiers in Physiology.

研究概要

  • 対象:男子ジュニアバスケットボール選手
  • 方法:クレアチンまたはプラセボを摂取して試合形式テストを実施
  • 測定:二重課題下でのシュート・パス・ドリブルの精度と反応時間を評価

結果

クレアチンを摂取した選手は

  • シュート成功率:+8〜10%
  • パス精度:+9%
  • 反応時間:−8%(つまり判断が速くなった)
  • 疲労感:低下(RPEスコア減少)

という結果が報告されました。

特に「考えながらプレーする状況」で効果が顕著に現れ、
脳のエネルギーを補うことで“集中力と正確性”を守ることが確認されています。

研究内容を詳しく確認したい方はこちらをクリック

概要(Abstract)

背景

バスケットボールは、身体的パフォーマンスと同様に高い認知的要求を伴うスポーツである。試合中、選手は俊敏な判断、迅速な意思決定、正確な動作を同時に行う必要があるため、認知的疲労は技術的パフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性がある。

クレアチンは筋肉内のエネルギー供給を改善する補助食品として知られているが、近年では脳内のエネルギー代謝を支える可能性も注目されており、特に認知負荷が高い状況での運動パフォーマンス改善が期待されている。


目的

この研究の目的は、急性クレアチン補給(短期間摂取)が、認知運動二重課題条件下(すなわち、思考と運動を同時に要求される状況)での青少年バスケットボール選手の技術的パフォーマンスに与える影響を明らかにすることである。


方法

  • 対象者:青少年バスケットボール選手
  • デザイン:ランダム化クロスオーバー試験
  • 条件
    1. プラセボ(偽薬)摂取
    2. クレアチン摂取(20g/日を一定期間)
  • 測定項目
    • 二重課題下でのシュート精度、パス精度、ドリブルスピード
    • 認知課題(反応時間、正答率など)
    • 自覚的疲労感

結果

  • クレアチン摂取群では、プラセボ群と比較して
    • シュートおよびパスの成功率が有意に向上
    • 二重課題下での認知的エラー率が減少
    • 自覚的疲労(RPEスコア)が低下
      が確認された。

また、これらの改善効果は単一課題条件(認知なし)では見られなかったため、クレアチンの作用は「認知的負荷が高い状況」に特異的であることが示唆された。


結論

急性クレアチン補給は、認知負荷を伴うバスケットボールプレーにおいて、青少年選手の技術的パフォーマンス(シュート・パス精度など)を改善する可能性がある。
この結果は、試合や練習中における集中力の維持判断の正確性の向上に寄与しうることを示している。

第2部:序論(Introduction)

バスケットボールは、高強度の断続的運動と、迅速な意思決定を要求する認知的プロセスが同時に求められるスポーツである。
試合中、選手は相手や味方の動きを瞬時に判断し、最適な行動(シュート、パス、ドリブルなど)を選択しなければならない。
このような状況では、**肉体的疲労(physical fatigue)**に加えて、**認知的疲労(cognitive fatigue)**も蓄積し、両者が複合的にパフォーマンスを低下させると報告されている。


認知的疲労と技術的パフォーマンスの関係

近年の研究では、試合中や練習中における**認知的負荷(cognitive load)**が、

  • パスの精度の低下、
  • シュートの成功率の減少、
  • 反応時間の遅延、
  • 意思決定の誤り、
    などの要因として作用することが示されている。

特に、**二重課題(dual-task)**の状況、すなわち「運動課題」と「認知課題」を同時に行う場合、脳の前頭前野を中心とした神経活動の増大が生じ、エネルギー消費が高まる。
このとき、脳内のエネルギー代謝効率がパフォーマンス維持の鍵となると考えられている。


クレアチンの生理的役割

クレアチンは、**筋肉および脳のエネルギー供給を担う高エネルギー化合物(クレアチンリン酸)**の生成に関与している。
一般的には筋肉のパフォーマンス向上目的で使用されるが、
最近の研究では、クレアチンが脳にも取り込まれ、神経細胞のATP再合成を助けることで、
**認知的パフォーマンス(記憶、注意、判断力など)**を維持・向上させる可能性があることが示唆されている。

また、脳内クレアチン濃度の増加は、ストレス負荷下や疲労状態での意思決定を安定させるという報告もある。
これらの知見から、クレアチン補給は「脳と筋の両面」からパフォーマンスを支えることができると考えられている。


研究の背景とギャップ

これまでのクレアチン研究の多くは、持久力・筋力向上などの「身体的パフォーマンス」に焦点を当ててきた。
一方、スポーツ競技においては、技術動作と認知的意思決定が密接に関係しており、
特に**思考と運動を同時に行う状況(認知運動二重課題)**でのパフォーマンスを対象とした研究は限られている。


本研究の目的

本研究の目的は、急性のクレアチン補給(短期間摂取)が、
青少年バスケットボール選手の技術的パフォーマンス
に及ぼす影響を、
特に**認知的負荷(dual-task条件)**下において検証することである。


仮説(Hypothesis)

  1. クレアチン補給は、認知運動二重課題条件下における技術的パフォーマンス(シュート精度、パス精度、ドリブル速度など)を向上させる。
  2. クレアチン補給の効果は、単一課題条件(運動のみ)よりも、二重課題条件(認知+運動)で顕著に現れる。
  3. クレアチン摂取は、認知課題中の反応時間およびエラー率を改善する。

第3部:方法(Methods)

研究デザイン

本研究は、ランダム化二重盲検クロスオーバー試験(randomized double-blind crossover design)として実施された。
すべての参加者は、クレアチン補給条件とプラセボ条件の両方を経験した。
2つの試験の間には7日間のウォッシュアウト期間
を設け、前条件の影響を除外した。


参加者(Participants)

  • 対象:青少年バスケットボール選手(男子)
  • 年齢:平均15.8 ± 0.9歳
  • 身長:176.2 ± 7.3 cm
  • 体重:69.1 ± 8.6 kg
  • 練習歴:平均5年以上の競技経験を有し、週に4〜5回の練習を行っている選手
  • 参加者はすべて健康であり、神経・筋骨格系疾患、代謝異常、またはクレアチン摂取歴はなかった。

各選手および保護者には研究の目的と手順が説明され、書面によるインフォームド・コンセントを得た。
研究はヘルシンキ宣言の倫理基準に従い、所属機関の倫理委員会によって承認された。


サプリメント条件

1. クレアチン条件(Cr)

  • 内容:クレアチンモノハイドレート(Creatine Monohydrate)
  • 摂取量:体重1kgあたり0.3g(例:70kgの選手で21g)
  • 摂取方法:水に溶解し、1回で摂取
  • 摂取タイミング:テスト開始の約60分前

2. プラセボ条件(PL)

  • 内容:同量のマルトデキストリン(味・外観をクレアチンと同一に)
  • その他:被験者・実験者ともにどちらの条件かは知らされない(ダブルブラインド)

実験プロトコルの概要

各参加者は、以下の2つの試験をそれぞれ異なる日に実施した:

  1. 単一課題条件(single-task condition)
     運動課題(バスケットボール動作)のみを実施。
  2. 二重課題条件(dual-task condition)
     運動課題と同時に認知課題(例:数列反応テスト)を行う。

両条件で以下のテストを実施し、クレアチン群(Cr)とプラセボ群(PL)を比較した。


認知課題(Cognitive Task)

  • 課題内容:画面上にランダムに提示される数字・記号に対して、できるだけ速く正確に対応する反応課題。
  • 測定項目:反応時間(ms)および正答率(%)。
  • この課題は「試合中の意思決定や注意配分」を模倣する目的で採用された。

運動課題(Motor Task)

  1. シュートテスト
    • フリースローラインから10本のシュートを実施。
    • 成功率(%)を算出。
  2. パステスト
    • 正確にマーカーへ通す10回のチェストパス。
    • 成功率および反応時間を記録。
  3. ドリブルテスト
    • コーンスラローム(約10m)を最大速度でドリブル。
    • 所要時間(秒)とエラー回数を測定。

これらの動作を、単一課題条件と二重課題条件でそれぞれ実施した。


主観的疲労・集中度評価

  • 自覚的運動強度(RPE):Borgスケール(6〜20)で測定。
  • 集中度(mental focus):0〜10スケール(自己申告式)。

統計解析

  • データは平均値 ± 標準偏差で表示。
  • 正規性をShapiro–Wilk検定で確認。
  • 条件(クレアチン vs プラセボ)および課題(単一 vs 二重)間の差を
    **2要因分散分析(Two-way repeated measures ANOVA)**で解析。
  • 有意水準は p < 0.05 とした。
  • 効果量(Cohen’s d)も併記し、実際的な差の大きさを評価した。

第4部:結果(Results)

1. 被験者特性

すべての被験者(n=15)は研究を完了し、副作用の報告はなかった。
クレアチン摂取条件(Cr)およびプラセボ条件(PL)の間で、
体重・BMI・安静時心拍数・安静時血圧などの基本的な身体的指標に有意な差は認められなかった(p > 0.05)。

また、いずれの試験日も睡眠時間・食事内容・前日の身体活動レベルに差はなかった。


2. 認知課題成績(Cognitive Performance)

反応時間(Reaction Time)

  • 単一課題条件では、Cr群とPL群の間に有意差は認められなかった(p = 0.47)。
  • 二重課題条件では、Cr群の反応時間が有意に短縮した(平均 −8.2%、p = 0.02, d = 0.61)。

正答率(Accuracy)

  • 単一課題では両群に差はなし(p = 0.41)。
  • 二重課題条件では、Cr群で正答率が有意に向上した(+6.5%、p = 0.03, d = 0.58)。

これにより、クレアチン摂取は「認知的負荷が高い状況」で特に有利に働くことが示唆された。


3. 技術的パフォーマンス(Technical Performance)

(1)シュート精度

  • 単一課題条件:Cr 78.6 ± 9.4% vs PL 77.2 ± 8.9%(差なし, p = 0.53)
  • 二重課題条件:Cr 74.1 ± 8.3% vs PL 68.7 ± 7.6%(p = 0.01, d = 0.73

➡ クレアチン摂取により、二重課題下でのシュート成功率が約8%向上


(2)パス精度

  • 単一課題条件:両群に差なし(p = 0.42)
  • 二重課題条件:Cr群の成功率が有意に高く(+9.1%、p = 0.02)、
    エラー数はPL群の約半分に減少した(平均 1.2 vs 2.3, p = 0.03)。

➡ クレアチンは「認知負荷下での正確なパス遂行能力」を改善。


(3)ドリブルスピード

  • 単一課題:Cr 7.11 ± 0.43 s, PL 7.18 ± 0.40 s(差なし)
  • 二重課題:Cr 7.25 ± 0.46 s, PL 7.52 ± 0.41 s(p = 0.04, d = 0.54

➡ クレアチン摂取は「判断を伴うドリブル動作」の速度を保持。


4. 自覚的疲労(RPE)および集中度(Mental Focus)

  • RPE(主観的運動強度):
    • 単一課題:Cr 13.2 ± 1.1, PL 13.4 ± 1.0(差なし)
    • 二重課題:Cr 14.0 ± 1.2, PL 14.8 ± 1.3(p = 0.03

➡ クレアチン摂取群では「同等の負荷下で疲労感が低い」。

  • 集中度スコア:
    • Cr群が有意に高値(+12%, p = 0.02)
    • 特に二重課題条件で顕著。

5. 相関解析(Correlation Analysis)

クレアチン摂取後の反応時間改善量シュート成功率の変化量の間に中程度の相関(r = 0.58, p = 0.04)が認められた。
これは、クレアチンが認知的・運動的側面を同時に改善する可能性を示唆している。


6. 効果量のまとめ(Effect Size Summary)

パフォーマンス項目効果方向p値効果量 (Cohen’s d)
反応時間(dual)改善0.020.61
正答率(dual)向上0.030.58
シュート精度(dual)向上0.010.73
パス精度(dual)向上0.020.66
ドリブル速度(dual)改善0.040.54
RPE(dual)低下0.030.47

小括

これらの結果から、急性クレアチン補給は、認知的負荷を伴う状況で技術的パフォーマンスを有意に改善することが確認された。
一方、単一課題(運動のみ)では有意な効果はみられなかった。
したがって、クレアチンの効果は「脳のエネルギー需要が高い状況」でより強く発揮されると考えられる。

第5部:考察(Discussion)

本研究の主な目的は、急性クレアチン補給(1日単回摂取)が、認知的負荷を伴う状況下での青少年バスケットボール選手の技術的パフォーマンスに与える影響を検証することであった。
その結果、クレアチン摂取は二重課題条件下において、シュート・パス・ドリブルなどの技術的遂行能力を有意に改善し、さらに反応時間と正答率の向上も確認された。
一方で、運動のみの単一課題条件では、パフォーマンスに有意な差は認められなかった。


1. クレアチンの効果発現メカニズム

クレアチンは、クレアチンリン酸(PCr)システムを介してATP再合成を迅速化し、筋肉のみならず脳組織にもエネルギーを供給する。
脳内の主要なエネルギー源であるATPの維持は、特に前頭前野や運動皮質において重要であり、
これらの領域は意思決定・注意制御・動作計画に関与するため、二重課題の遂行能力と強く関係している。

本研究で観察された結果(認知的・運動的改善)は、クレアチンが脳エネルギー代謝の効率化を通じて、
「情報処理のスピード」および「判断の正確性」を高めた可能性を示している。
この仮説は、過去の神経生理学的研究においても支持されており、
クレアチン摂取が神経伝達効率・シナプス活動の安定化・酸化ストレス軽減に寄与することが報告されている。


2. 認知的負荷下での運動パフォーマンス改善

バスケットボールのようなオープンスキル型スポーツでは、選手は常に**知覚・判断・行動のループ(perception–decision–action loop)**を短時間で繰り返す。
この過程は極めてエネルギー依存的であり、疲労の影響を受けやすい。

本研究では、単一課題では差がみられなかったが、二重課題下ではクレアチン摂取により

  • シュート成功率の維持、
  • パス精度の向上、
  • 認知エラーの減少、
  • 反応時間の短縮、
    が観察された。

これらは、クレアチンが**「脳疲労の蓄積」を軽減し、情報処理の質を保つ**ことによって、運動実行の安定性を支えた結果と解釈できる。
特に若年層では脳の発達段階にあり、神経代謝への介入効果が顕著に現れる可能性がある。


3. 急性摂取の有効性と実践的意義

これまでの研究の多くは、長期(5〜7日以上)クレアチンローディングを採用していた。
一方、本研究では単回摂取(acute intake)にもかかわらず、パフォーマンス改善が確認された。
このことは、クレアチンの一部が短時間で血中・脳内濃度を上昇させる
ことを示唆している。
過去の脳磁気共鳴分光法(MRS)研究でも、摂取後2〜3時間以内に脳クレアチン濃度が上昇する可能性が報告されている。

実践的には、試合や高強度練習の約1時間前の摂取でも効果が期待できるという点で、非常に現実的かつ有用である。
特に、試合後半や延長戦などで認知的疲労が顕著になる場面での補給戦略として有望である。


4. 精神的集中と主観的疲労

RPE(自覚的疲労度)がクレアチン群で低かったことは、実際の筋的負荷ではなく脳の疲労感や集中度の維持に関連する可能性が高い。
先行研究では、クレアチン摂取が脳内セロトニンとドーパミンのバランスを安定化させ、
「やる気」「覚醒」「集中力」を支える神経化学的環境を改善することが示唆されている。

本研究でも、主観的集中度スコアが高かったことから、クレアチンが単なる筋代謝補助ではなく、
心理的・神経的な疲労軽減因子として作用していることが考えられる。


5. 本研究の限界(Limitations)

  1. サンプルサイズ:15名と比較的少数であり、統計的検出力に限界がある。
  2. 短期間介入:急性効果のみを検討したため、長期摂取による適応効果は評価していない。
  3. 男子選手のみ:女子選手や異なる年齢層で同様の効果が得られるかは未検証。
  4. 脳代謝の直接測定なし:神経代謝や血流動態を直接計測していないため、作用機序は推測にとどまる。

今後は、より大規模かつ長期の研究デザインで、脳内クレアチン濃度や神経活動の変化を同時に測定する必要がある。


6. 実践的応用(Practical Implications)

  • 試合や集中練習の1〜2時間前にクレアチンを摂取することで、技術的パフォーマンスの維持が期待できる。
  • 特に、試合中の疲労後半や判断ミスが増える状況で効果的である可能性。
  • 青少年アスリートの脳発達段階において、**安全かつ効果的な「認知・運動複合型サプリメント戦略」**として活用できる。

7. 総合的見解

以上の結果を総合すると、クレアチンは単なる筋肉用のエルゴジェニック補助ではなく、
「脳-筋連携パフォーマンス(neuro-muscular performance)」を支える補助栄養素としての役割を有することが明らかとなった。

特に、認知運動二重課題のような実戦的状況での技術的精度維持に有効である点は、
現場のコーチング・スポーツ栄養指導において非常に実践的価値を持つ。

第6部:結論(Conclusion)・実践的まとめ・謝辞


🔹 結論(Conclusion)

本研究では、**急性クレアチン補給(1回摂取)**が、
認知的負荷を伴う状況(認知運動二重課題)における青少年バスケットボール選手の技術的パフォーマンスを有意に向上させることが明らかになった。

具体的には、クレアチン摂取後の選手は以下の点で優れた成績を示した:

  • シュート精度およびパス精度の向上
  • ドリブル動作における判断スピードの維持
  • 認知課題の反応時間短縮と正答率向上
  • 自覚的疲労(RPE)の低下と集中度の向上

これらの効果は、単一課題(運動のみ)では認められず、**「脳の負荷が高い状況でこそ発揮される」ことが特徴である。
したがって、クレアチンは単なる筋肉強化の補助剤ではなく、
「認知・運動統合型サプリメント」**としての価値を有する。


🔹 実践的まとめ(Practical Implications)

  1. **試合や高集中トレーニングの前(約1時間前)**に、体重1kgあたり0.3gのクレアチンを摂取することで、
    認知的疲労に伴う技術精度の低下を防げる可能性がある。
  2. 青少年期は神経発達とエネルギー需要が高いため、
    クレアチン補給が「判断力・集中力・反応の鋭さ」を支える効果がより顕著に現れると考えられる。
  3. バスケットボールだけでなく、サッカー、テニス、バレーボールなどの認知要求が高いスポーツ全般にも応用可能である。
  4. 安全性の観点からも、今回の急性摂取では副作用は一切報告されず、短期的使用において安全であることが確認された。

🔹 今後の展望(Future Directions)

今後の研究では、

  • 長期的なクレアチン補給による「認知パフォーマンスの持続的改善」
  • 男女差・年齢差の影響
  • 脳内代謝変化(MRS・EEG・fNIRSなどによる直接測定)
  • 他の栄養素(カフェイン・βアラニンなど)との相乗効果
    などを検討する必要がある。

これにより、**「脳と身体の両面を最適化するスポーツ栄養戦略」**の確立につながると期待される。


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小学生のクレアチン摂取は安全性?本当に必要?

小学生にサプリメントなどの栄養補助食品を摂取する際に1番気になるのは”安全性”ではないでしょうか?

「子供が飲んでも平気??」

「過剰摂取で副作用は??」

「うちの子も不足している?そもそも必要なの?」

筆者も小学生の子供を持つのでお気持ちはよくわかります。

筆者がクレアチンの安全性を調べましたが

結論:
正しい量と水分を守れば、小学生でも安全に摂取可能

です。

クレアチン摂取の安全性を示す研究

「クレアチン摂取は小学生でも安全である」という結論に至った根拠として、以下のような科学的報告があります。

  • 子ども・青年アスリートを対象にしたレビュー論文。適切な用量で「重大な副作用を伴わず、安全に使用可能」と結論。PMC+2PubMed+2
  • 健常な状況下では腎機能・肝機能・電解質・骨代謝など主要な健康指標に悪影響を認めないというデータも。PubMed+1
  • 米国食品医薬品局(U.S. Food & Drug Administration : FDA)が、クレアチンを「Generally Recognized As Safe(GRAS、一般的に安全と認められる)」と分類したという報告。PMC+1

このように、小学生を含む成長期アスリートにおいても、用量を守り、水分をしっかり摂るという条件さえ満たせば、クレアチン補給は「安全性」の面でも十分に検討の余地があるというのが、現時点での科学的な見解です。

🔸 推奨目安

項目推奨基準理由・補足
体重あたりの摂取量0.03 g / kg / 日(例:30kg→約1g大人の「3〜5g/日」を体重でスケールダウン
摂取頻度毎日でなくてもOK。練習日や試合前だけでも可クレアチンは体内に蓄積するため、日単位で安定する
摂取タイミング試合前1時間 or 試合後30分吸収がよく、胃腸の不快感を防ぐ
水分摂取体重1kgあたり 40〜50mL(例:30kg→1.2〜1.5L/日)細胞内水分が増えるため、脱水を防ぐ必要あり
摂取形態粉末を水またはジュースに溶かす飲み込みやすく、吸収が速い
期間短期(1〜2週間)または試合期間中のみで十分長期連用の必要は基本なし

安全でも本当に必要か?

もう一つの疑問である「そもそも必要か?」を考えていきます。

先ほどの表にもあるように、
体重30kg前後の小学生に推奨されるクレアチン量は、わずか1g程度/日


この量であれば、よっぽど食の細い子でない限りは普段の食事から十分に摂取可能です。

以下で、クレアチンを効率よく摂取出来る食材を紹介します。

🍖 食事から摂るならコレ!クレアチンを多く含む食品一覧

クレアチンを効率よく摂取出来る食材は肉・魚です。


食品クレアチン含有量(g/100g中)例(摂取量)
牛赤身肉約1.0gステーキ1枚(約100g)で約1g
マグロ(赤身)約0.9gお刺身5〜6切れで約1g
サーモン約0.9g切り身1枚(約120g)で約1g
豚ヒレ肉約0.8g生姜焼き2枚分(約130g)で約1g
カツオ約0.8gタタキ1人前で約1g前後

つまり、「お肉かお魚を1食しっかり食べる」
これだけで、子どもに必要なクレアチン量は自然に摂れてしまうのです。

ただし、

  • 偏食や食の細さで肉・魚をほとんど食べられない子
  • 部活動などで1日2部練習がある中高学年アスリート
  • 夏場の疲労や集中力低下が気になる時期

このような場合には、1日0.5〜1gほどを短期間だけでもサプリで補うという形も検討すべきかもしれません。
※水分摂取は必須

また、高校生以上の選手の必要量(5g/1日)の量を食事だけるには、非現実的です。
身体の出来上がっている選手は、サプリとの併用が効率的です。

まとめ|“判断力と集中力”を支える新しい栄養戦略

🏀 今すぐ実践できるクレアチン活用ステップ

1️⃣ 練習や試合前日の夕食で、肉や魚をしっかり食べる(自然なクレアチン補給)
2️⃣ 試合前日〜当日は1g程度のクレアチンを摂取して水分を多めに取る(1.2〜1.5L)
3️⃣ 疲労や集中切れが気になるときだけ、0.5〜1gのサプリを短期的に活用

クレアチンはこれまで「筋肉サプリ」と思われていましたが、
最新研究では「脳のパフォーマンスを支える栄養素」として注目されています。

特にバスケットボールのような「動きながら考えるスポーツ」では、
脳エネルギーの維持=判断力の維持です。

✅ 試合後半でも集中を切らさない
✅ 疲労しても判断スピードが落ちない
✅ 技術精度を最後まで保てる

これらを支える手助けとして、
クレアチンはアスリートの“脳と身体”を結ぶ栄養戦略になります。

子どもたちは一生懸命に頑張っています。
私たち大人ができるのは、“安全で正しいサポート”を選んであげること。
クレアチンはその一つの手段として、試合後半まで集中を保つ手助けになるかもしれません。

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