【バスケ】「パスを出せない」のは練習不足? 鍛えるべき見る力とは?

ミニバスを行っている我が子を見ていて、

「試合中、周りの動きが見えていない気がする」
「パスを出すタイミングが遅い」「視野が狭い」

こう感じたことはありませんか?

コーチからも

「○○!ドリブルの前にまず前を見なさい!!」

「フリーの選手がいたらパスするんだよ!!」

と注意されてもなかなか改善せず・・・

「パスをしない、出来ない選手」は周りから見ると自己中心的な選手とみられてしまう場合も少なくなく、

「うちの子がパスしないから周りの子はイライラしているんじゃ・・・」

「同級生の親にどう思われているだろう・・・」

と不安になる方もいるのではないでしょうか?

筆者もミニバスをする息子がおり、何を隠そう息子も同じタイプでしたのでお気持ちはよくわかります。

しかし、そのようなケースは、「パスをしない」のではなく、「パスをできる相手を見つける事が出来ていない」可能性が高いです。

最新の研究では、「4〜5個の対象を同時に追跡できる選手は、パス判断が圧倒的にうまい」
という結果が報告されています(Gou & Li, 2023)。

つまり、良いパスをするためには、“見る力(動体視力・注意分配・周辺視野)”を鍛えることが重要なのです。

本記事では、見る力の大切さを示した研究を紹介するとともに、
パスが上手な選手になるためのトレーニング方法を

  • 本格的に鍛えたい人向け
  • 手軽に始めたい人向け
  • 家族・子どもと楽しく鍛えたい人向け

    の3タイプでおすすめトレーニング法とツールを紹介します。
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目次

熟練したバスケットボール選手は複数物体追跡能力が高い事を示した研究

まずは、本記事の柱になる研究をご紹介します。

タイトル: The correlation between multiple object tracking ability and sports decision-making in basketball players

著者: Qifeng Gou(グー・チーフェン)、Sunnan Li(スンナン・リー)

発表年: 2023年

掲載誌: PLOS ONE(オープンアクセス国際学術誌)

原文を確認したい方はこちらをクリック

以下からは研究内容の要約です。

背景

バスケットボールでは、選手が同時に複数の対象を視覚的に追跡する「複数物体追跡能力(MOT:Multiple Object Tracking)」が、試合中の**スポーツ意思決定(SDM:Sports Decision-Making)**に大きく関わる可能性があります。

本研究は、熟練選手と初心者のMOT能力・SDM能力の差異を検証し、両者の関連性を明らかにすることを目的としています。


方法

  • 対象:女子バスケットボール選手48名(熟練者24名、初心者24名)
  • 実験1:MOT課題(2〜6個の対象を追跡)
  • 実験2:3対3の試合映像を用いた意思決定評価
  • 評価:専門家によるパス・ドリブル・シュートの判断精度を採点
  • 分析:χ²検定とピアソンの相関分析

結果

① MOT能力(動的視覚注意)

  • 熟練者の平均正答率:64.6%
  • 初心者の平均正答率:55.7%
  • 4〜6個の対象を追跡した場合に有意差あり(p<0.05)

② 意思決定(SDM)

  • 熟練者の平均正答率:91.6%
  • 初心者の平均正答率:84.5%
  • パスとシュートの判断精度に有意差(p<0.01)
  • ドリブル判断には有意差なし
  • 熟練者は判断スピードも速い(0.74回/秒 vs 0.52回/秒)

③ MOTとSDMの相関

  • 4〜5対象追跡時のMOTスコアが、パス判断精度と強く正の相関(r>0.6, p<0.01)
  • 熟練者の方がより高い相関を示す
  • 6対象以上になると逆に判断を妨げる傾向(注意過負荷)

考察

  1. 熟練選手は4〜6対象追跡で優位
     注意分配力や動的視覚処理の能力が高く、試合中も複数の選手やボールの動きを的確に捉えられる。
  2. 判断の正確さとスピードの両立
     熟練者は状況を素早く「読む」能力が高く、特にパス判断で優位。
     → MOT能力が高いほど、試合中の選択の精度も高くなる。
  3. 注意過多による干渉効果
     6対象以上では情報過多となり、むしろ意思決定精度を低下させる。
  4. トレーニングへの示唆
     3D MOTトレーニング(複数物体追跡課題)は、注意力・作業記憶・情報処理速度を高め、
     → 特に「パス判断能力」の向上に有効。

結論

  • 熟練選手は初心者よりもMOT能力・意思決定能力の双方で優れている。
  • 特に4〜5対象を追跡するMOT能力が、正確なパス判断と強く関連
  • 対象が多すぎると意思決定を妨げる。
  • 注意力トレーニングを取り入れることは、競技力向上に有効である。

筆者の考察

研究結果から分かるように、パスの上手い選手は、決して“ひとつのものをじっと見つめるタイプ”ではありません。

ボールだけを凝視していては、相手の動きや味方の位置の変化を見逃してしまうからです。

コート上に散らばる4〜5個の情報(味方・相手・スペース・ディフェンスライン・タイミング)を同時に追跡しながら、一瞬の判断で最適な選択をしています。

つまり、「一点集中型の視野」ではなく、「動くものを多面的に捉える視野(追跡的注意)」こそが、優れたパサーの秘密かもしれません。

お子さんを見ていてこんな事を感じた事はないでしょうか?

テレビを見ていると、話しかけてもまったく反応しない
 → 何度呼んでも「え? 呼んだ?」が日常茶飯事。

食事中、好きなおかずばかりに手が伸びる
 → テーブル全体を見ずに、“一つの皿”しか見えていない。

物をよく落とす、人によくぶつかる。
 → 周囲の物の位置や距離感を同時に把握する力(空間認知・周辺視野)が弱め。

こんな特徴が日常で見られる場合は、「一点集中型の視野」を持っている選手かもしれません。

この場合、トレーニングして、「動くものを多面的に捉える視野(追跡的注意)」を鍛える事で、パスの精度は上がる可能性があります。

※「一点集中型の視野」は必ずしも悪いものだと筆者は捉えていません。
 一点に集中する=集中力がある。とも言えます。
 筆者の経験上、こういった選手は
 ・入り出すと止まらないシューター。
 ・オンボールディフェンスはチーム1でスティールの多い選手。
いわゆる優秀な「3&D選手」になる素質を持っているように感じます。

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複数の砂時計を見ながらカードを出す協力プレイ。
→ “複数対象を同時に監視”する能力を楽しく鍛えられる。

まとめ|“見る力”を鍛えると、バスケの判断が変わる

子どもがパスを出せないのは、「性格の問題」ではなく「見えていないだけ」 かもしれません。
バスケットボールのように、瞬時の判断が求められるスポーツでは、
動体視力・注意分配・周辺視野=“見る力” が土台になります。

研究でも、4〜5個の対象を同時に追える選手は、パス判断が圧倒的に上手い ことが示されています。
つまり、「判断力を鍛える」=「見る力を鍛える」ことなのです。

💡 トレーニングの3ステップ

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👨‍👩‍👧 家族派おばけキャッチDrivEx キャッチスティックナンスピ カイト遊びながら視野と判断力を育てる。子どもが夢中で続けられる「楽しい練習」。

子どもは「やらされる練習」よりも「夢中になれる遊び」で大きく伸びます。
楽しみながら“見る力”を鍛えることは、判断に強い選手を育てることにつながります。

家での10分の遊びが、試合での“一瞬の判断”を変える。
今日から、家族で“見る力トレーニング”を始めてみませんか?

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