スポーツ動作に必須”パワーポジション”
バスケットがうまくなるためには、綺麗なパワーポジションは必須です。
NBA選手やBリーガーはもちろん、小学生でも上手な選手は必ずと言っていいほどしっかりパワーポジションが取れています。
パワーポジションについて解説した動画や記事は多くみられます。
この記事では、解説動画を見ても、コーチに時間をかけて指導を受けても、うまくパワーポジションが取れない方向けの内容になっています。
・パワーポジションを取れない原因にはどんなものがあるか
・パワーポジションをうまく取るためのストレッチやトレーニング方法
パワーポジションとは
初めに、パワーポシションについて説明されている動画をご紹介します。
動画で説明されているように、パワーポジションで最も大切な事は「股関節」を曲げる事です。
股関節を軸に体を曲げる事を「ヒップヒンジ」と呼んだりします。
股関節を曲げる事で、重心が前方に移動し、下肢・体幹の筋力がバランス良く働きやすくなります。
パワーポジションが綺麗にとれることで
①人体の筋肉の中でも強い力を発揮するお尻の筋肉の活動が高まる
②オスグットなどの膝の痛みに繋がりやすい前面の筋肉の負担が減る
③ふくらはぎの筋肉への負担が減り、足が攣るなどのトラブルが減る
等の効果が期待できます。
筋肉がバランス良く働く事で当然、スポーツのパフォーマンスも向上します。
シュートの動作がスムーズになる、ドライブの姿勢が良くなり、鋭いドライブが出来る、ジャンプの高さが上がる、ディフェンスの反応が早くなる。
メリットを挙げるとキリがないほど大事なポジションと言えます。
パワーポジションの多い失敗例
パワーポジションの練習をした時、以下のような注意を受けたことのある方はこの記事を最後まで読んで頂くことをおすすめします。
- 重心が後に下がっている
- 体が棒立ち
- 背中が曲がっている、又は反っている
- 膝が内側に入っている
- 膝がつま先より前に出ている
パワーポジションが取れない原因
ハムストリングスが硬い
上の図は体を後ろからみたものです。
大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋を合わせてハムストリングスといいます。
ハムストリングスは骨盤(坐骨結節)から始まり、膝周囲に停止する筋肉です。
パワーポジションをとるためには、骨盤が前傾する必要があります。
このハムストリングスは骨盤の後方から始まるため、硬くなる事で骨盤が前傾しなくなります。
- 重心が後ろに下がっている
- 体が棒立ち
- 膝がつま先より前に出ている
の問題を抱えている選手はこのハムストリングスの硬さが問題かもしれません。
腸腰筋が働いていない
上の図は体を前方からみた図です。
腸骨筋、大腰筋、小腰筋(図示されてはいませんが)の3筋を合わせて腸腰筋といいます。
腸腰筋の主な働きは、股関節を屈曲する役割を持っています。(足を前方に振り上げる動き)
しかし、立った状態では働きが変わります。
足が床に固定されていると、骨盤を前傾させる役割に変わります。
パワーポジションには骨盤の前傾が欠かせません。
①と同様に
- 重心が後ろに下がっている
- 体が棒立ち
- 膝がつま先より前に出ている
腸腰筋がうまく働かない選手もこの問題が起きやすいと言えます。
体幹が安定していない
上の図は背中から見た図です。
脊柱(背骨)は、小さな骨(椎骨)が積み重なって出来ています。
椎骨はそれぞれがバラバラにならないように靭帯や筋肉で固定されています。
今回、特に注目したい筋肉は「多裂筋」です。
あまり聞き馴染みのない筋肉かもしれませんが、脊柱の安定性を高めるためにとても重要なインナーマッスル(身体の深部に存在する筋肉)です。
この多裂筋の働きが弱くなっている選手は
- 背中が曲がっている、又は反っている
の問題が起きやすいため、トレーニングによる改善が必要です。
お尻の筋肉が弱い
パワーポジションをとるためには、股関節を軸に身体を折りたたむように曲げる必要があります。
身体を折りたたむと、上半身が前方に落下して行かないように、身体の後面(上図の右側)の筋肉が強く働く事になります。
特に、大事な筋肉がお尻の筋肉である「大臀筋」が重要です。
大臀筋が弱く、前傾姿勢を維持できない選手は無意識に
- 体が棒立ち
- 膝がつま先より前に出ている
の姿勢を取る事で前側の筋肉だけで姿勢を維持しようとしてしまいます。
足首が硬い
パワーポジションを取ろうとして上図のような姿勢になってしまっている方はいないでしょうか?
左と右の図の足首の角度を比べて下さい。足首があまり曲がっていません。
足首の硬さがある事で
- 重心が後ろに下がっている
- 膝が内側に入っている
の問題につながります。
現代は椅子生活や和式トイレの減少により、日常生活でしゃがみが必要な場面が激減しています。
しゃがみが出来ない子供は本当に増えています。
パワーポジションのためのストレッチ・トレーニング
ハムストリングスのストレッチ
ハムストリングスは骨盤から膝の裏に長く走っている筋肉です。
そのため同じハムストリングスを狙ったストレッチでも色々な伸ばし方で行う方がより効果的です。
色々な方法が紹介されているわかりやすい動画がこちらです。
腸骨筋トレーニング
前述したように、パワーポジションで必要なのは骨盤を前傾する動きです。
その方法がのっている動画をご紹介します。
多裂筋トレーニング
多裂筋を鍛えるのは少しコツがいるため、難しいのですがわかりやすい動画がこちらです。
殿筋トレーニング
殿筋トレーニングも色々な方法があります。
動画で紹介されている方法で行うと、膝が内側に入ってしまうのを防ぐ効果もあります。
足首の柔軟性向上
足関節が綺麗に曲がるためには、周りの筋肉が柔らかいだけでなく、「距骨」という、骨がしっかりと動く必要があります。動画ではこの距骨の動かし方をすごくわかりやすく紹介されいます。
まとめ
パワーポジションはバスケットボールに限らず、多くのスポーツの基本姿勢です。
スポーツ初心者や、小学生のうちに身につけておく事をおすすめします。
怪我の予防に役立ち、運動能力の向上に大きく関わります。
自分がうまく姿勢を取れているかどうかは自分では意外とチェックが難しいものです。
親、友達などにチェックしてもらいアドバイスをもらったり、写真をとってもらいましょう。
うまく姿勢を取れていなければ、どの原因で出来ないかを上の項目を見返して、改善できるように是非取り組んでみて下さい。
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