“反り腰”の原因は自分でわかる
姿勢が悪い状態でスポーツを行うと、外傷・傷害の発生やパフォーマンスの低下など様々な弊害が生じます。
バスケットボールでも良い姿勢を保つ事は非常に大切です。
高いジャンプ、鋭いドライブ、反応の早いディフェンス。
いずれも良い姿勢が基本となって生み出されます。
この記事では骨盤周りの筋肉が原因となって生じる事の多い、いわゆる
「反り腰」
の不良姿勢についてお伝えします。
※上半身が原因で起こる「猫背」についても過去にご紹介しています。反り腰よりも猫背にお悩みの方は以下のリンクから移動してチェックしてみて下さい。
・反り腰の原因となる筋肉の異常
・反り腰を治すためのストレッチ・トレーニング
反り腰について
正常な姿勢であれば横から見ると、腰の骨の部分(腰椎)は、前方を凸として緩いカーブを描きます。
「反り腰」はこのカーブが強くなっている姿勢を指します。
反り腰がバスケットへ及ぼす悪影響
ジャンプ力の低下
ジャンプは下半身の力だけでなく、全身の筋肉が連動して働く事が重要です。
上半身-下半身を連動させるのに体幹の安定性や筋力が大切な事は理解しやすいと思います。
リバンドジャンプなど、高さを求めるジャンプの際には、反動をつけるために体は一度沈みます。
沈んだ体を勢いよく伸ばすために必要な筋肉の1つに脊柱起立筋があります。
筋肉が大きな力を発揮するのは
最大に伸ばされた状態 → 収縮(力が入った状態)
が理想的です。
脊柱起立筋は、反り腰になると緩みます。
そのため、反り腰の状態では脊柱起立筋が大きな力を発揮する事が難しくなってしまいます。
腰椎への負荷が大きく増大
反り腰になると、腰椎は後方でぶつかります。(ぶつかる場所は椎間関節と言います。)
このストレスが繰り返されると成長期によく発症する、「腰椎分離症」という重大な傷害を発症するリスクが増大します。
knee-inの増大
バスケット(特に女子選手)は指導者から
「膝を内側に入れないように!」
と指導されているのではなないでしょうか?
この膝が内側に入ってしまう現象がknee-inです。
knee-inは様々な外傷を引き起こす可能性があります。
前十字靭帯損傷、内側側副靭帯損傷、半月板損傷など
手術が必要になるものもあります。
反り腰の姿勢はこのknee-inを助長してしまう可能性があるため危険な動きとして認知されています。
反り腰になると骨盤は前方に傾きます。(骨盤の前傾)
適度な骨盤の前傾は様々なメリットがありますが、反り腰で前傾すると必要以上に前傾してしまうことが多々あります。
詳しい説明はここでは省きますが、必要以上の骨盤前傾はふとももの骨(大腿骨)が内側に向くことにつながります(knee-in)。
まとめると
反り腰→過度な骨盤前傾が起こる→大腿骨が内側に向くknee-in発生。
という連鎖が起こります。
反り腰が発生する要因「下部交差性症候群」
「一家全員反り腰なんです」
「私は生まれつき反り腰なので・・・」
反り腰で悩んでいる方と話をすると、
「反り腰は治らないもの。」
と認識している人が多いように感じます。
これは半分正解で半分間違いだと筆者は考えています。
人の骨格はある程度遺伝の影響を受けるため、反り腰になりやすい骨格の方も事実いるでしょう。
しかし、ある程度は筋肉のバランスで改善可能です。
反り腰の多くは、下部交差性症候群に陥っています。
下部交差性症候群とは
下部交差性症候群とは、下半身において、
弱くなりやすい筋肉(図の青線)と
硬くなりやすい筋肉(図の赤線)が
X字に交差するように存在し、それぞれが弱くなる・硬くなる事で姿勢が乱れてしまっている状態(反り腰)を指します。
弱くなりやすい筋肉
弱くなりやすいのは、
①腹筋
腹横筋・腹直筋
②おしりの筋肉
大臀筋・中臀筋・深層外旋筋
おすすめのトレーニングの方法が説明された動画をご紹介します。
硬くなりやすい筋肉
硬くなりやすいのは、
①背筋
脊柱起立筋・広背筋
②股関節前面の筋肉
腸腰筋
おすすめのストレッチの方法が説明された動画をご紹介します。
まとめ
反り腰姿勢とバスケットのパフォーマンスや傷害との関係について説明しました。
下部交差性症候群に陥っている運動選手は非常に多くいます。
姿勢は自分の目でチェック出来ないため、日頃から意識して修正する必要があります。
パフォーマンスup、傷害予防のためにも意識して姿勢改善に取り組んでみて下さい。
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