ドライブで上手に相手ディフェンスを抜き去る選手は何が違うでしょうか?
誰も追いつけないほどスピードがあり、相手を翻弄できる高いドリブルスキルがあるからでしょうか?
そんな、誰から見ても才能溢れる身体能力やスキルだけが重要でしょうか?
みなさんの周りにこんな選手はいませんか?
スピードも普通、特別なスキルを使っているわけでもない。なのになぜかドライブが上手。
そういうタイプの選手のほとんどは“緩急”の付け方が非常に上手な選手が多いです。
緩急をつけるポイントとなるステップをこの記事では2つご紹介します。
Step1 SSCを利用した”ヘビーステップ”
Step2 裏拍子を利用した”ドロップステップ”
上記の2Stepをマスターすると緩急のある選手になれます。
この記事は、15年理学療法士として活動する筆者が、緩急をうまく使ったドライブが出来ずに悩む選手のために作成しました。
練習方法や鍛えるべき筋肉・トレーニング方法をまとめましたので参考にしてみて下さい。
・初速を速くするコツ「SSC」とは何か?
・SSCを利用した”ヘビーステップ”
・裏拍子を利用した”ドロップステップ”とは何か?
・ドロップステップの練習方法
・ドロップステップがうまくいない選手が鍛えるべき筋肉。
緩急をつけるために重要な”SSC”とは?
緩急のコツは、止まっている「0」の状態からいかに早くトップスピードの「100」に持っていけるかが鍵になります。
早い動きを出すためには、必要な筋肉が爆発的に収縮する事が求められます。
筋肉のSSC(Stretch Shortening Cycle)という特性を利用すると爆発的に筋肉を収縮させる事が可能です。
下記の2択でどちらの方が高く跳べるかを想像して下さい。
①膝をあまり曲げずにその場でジャンプ
②垂直跳びするように、一度体勢を低くしてジャンプ
おそらくほとんどの方は反動を利用できる②と答えるでしょう。
SSCを簡単に説明すると、このように筋肉の反動を使う動きを指します。
さらに詳しく理解したい方は以下のリンクで確認してみて下さい。
↓↓
>>筋肉量だけじゃない! 瞬発力のある選手はこんなトレーニングをする!
SSCを利用した”ヘビーステップ”で初速を速くする
SSCを利用して初速を速くするためには、一度小さくジャンプする事が有効です。
この小さなジャンプは様々な方法があり、プレジャンプ、スキップ、ヘビーステップなどがあります。
今回は、最も行いやすいヘビーステップの話が中心です。
わかりやすく解説された動画をご紹介します。
動画後半で出てきた手の使い方、ボールキープの仕方は、”ポケットドリブル”といいます。
これがうまく出来ない方へ向けた身体の使い方を解説した記事もあります。
このドリブルでつまずいてしまう方は下のリンクからチェックしてみて下さい。
↓↓
>>【バスケ】ポケットドリブルのコツ。練習してもできないはこれで解決
緩急をつけるドロップステップとは?
次に紹介するのはヘビーステップとは違った方法で緩急をつける方法です。
それが”ドロップステップ”です。
ドロップステップとは、ドリブルをついた状態からドライブを仕掛ける直前に体を素早く低くするステップの事です。
ヘビーステップとは違い、直前に小さなジャンプを入れません。
ドロップステップの練習方法が解説された動画をご紹介します。
小さいジャンプが入らず、SSCが働きづらいため、初速のスピードではヘビーステップの方が速いかもしれません。
しかし、ドロップステップは予備動作なしで急に沈むため、相手のタイミングをずらす事が可能になるスキルです。
ドロップステップ上達のコツ
脱力
ドロップステップは文字通り、体を”ドロップ”させる(落とす)ように姿勢を低くする事がポイントになります。
ドロップするためには体の脱力が必要です。
言葉で説明する事は非常に難しいですが、体が必要以上に力んだ状態ではうまく沈む事は出来ません。
リラックスした状態で練習を行いましょう。
上手に脱力した状態を作れると、体は重力の力を使って沈んでいきます。
正しいパワーポジション姿勢
体を低くした姿勢は”パワーポジション”の姿勢になるため、パワーポジションがうまく取れない選手はいくらこのステップを練習してもうまく出来ません。
パワーポジションがうまく取れない選手は以下のリンクからパワーポジションをとる練習から始めることをお勧めします。
>>1000人以上を見てきた理学療法士が教える、「パワーポジション」の作り方
腸腰筋の筋力
脱力し重力により沈んでいくスピードをさらに加速させる筋肉が腸腰筋という筋肉です。
腸骨筋、大腰筋、小腰筋を合わせで”腸腰筋”と言います。(小腰筋は上のイラストに載っていません)
この腸腰筋は脊柱(背骨)から股関節の前面に向かって走行しています。
そのため、腸腰筋が働き、収縮すると体と太ももが近づきます。
そのため腸腰筋の筋力がしっかりある事で素早くパワーポジションの姿勢をとる事に繋がります。
腸腰筋のトレーニング方法が解説された動画をご紹介します。
大腿四頭筋・大殿筋の筋発揮スピード
ドロップした体をピタッと止めるためには筋力が必要です。
大きな力を発揮するためには大きな筋肉の力を発揮する事が必要です。
下肢の代表的な大きな筋肉は前側の大腿四頭筋、後ろの大殿筋です。
これらの筋肉をトレーニングにより鍛える事で止まる力を鍛えます。
又、止まる力だけでなく、止まった後はドライブするために地面をしっかりと蹴る力が必要です。
この蹴る力も大腿四頭筋、大殿筋が担います。(この2つだけではありませんが、代表的な筋を紹介)
トレーニングの方法が解説された動画をご紹介します。
まとめ
ドライブの初速を出すために必要なステップを2つ紹介しました。
Step1 SSCを利用した”ヘビーステップ”
Step2 裏拍子を利用した”ドロップステップ”
筆者のおすすめは、
・スピードに自信のある選手は”ヘビーステップ”
・スピードよりも周りや相手をみて動くのが得意な選手は”ドロップステップ”
を軸に相手と駆け引きする事をおすすめします。
紹介したステップはシンプルですがとても有効なスキルです。
難しいスキルを多用せず、シンプルな技術で相手のディフェンスを抜く事ができれば、ミスが少なく、相手にとってすごく嫌な選手になれます。
ちょっとしたこつや筋肉の使い方で動きは変わります。
今回の記事を参考にし、緩急を上手に使いこなす選手を目指してみて下さい。
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