「ボール運び出来ない・・」を解決するスキル
ガードの選手にとって大事な役割であるボール運び。
自陣コートでスティールされる事は簡単に相手のゴールを許す事になります。
相手の方がスピードがあり、フィジカルも強い、ディフェンスフットワークも抜群に良い。
「運べなかったらどうしよう・・・・」
とガードの選手は胃を痛くしているのではないでしょうか?
(筆者は毎試合そうでした。)
そんな選手に習得をおすすめしたいドリブルスキルが
インバートドリブルです。
スピード・フィジカルに自信のない選手でも安全にボールを運ぶ事を可能にするスキルですので是非、覚えてほしいドリブルスキルです。
・インバートドリブルの練習方法
・インバートドリブルの質を高めるトレーニング方法
インバートドリブルとは?
「インバート」の意味は
invert=「物の通常の位置を、上下逆さまにひっくり返したり、反対の順序に並べることによって、変更する」
とういう意味の英語です。
わかりやすく解説されている動画をご紹介します。
このように相手を抜くのではなく、反対方向に大きく移動する事で相手デイフェンスとのずれを大きく作るスキルです。
この技術を駆使すると、相手とのスピード・フィジカルの差があっても安全にボール運びをできる可能性がupします。
インバートドリブルを行なってもズレが出来ない原因は”大腿四頭筋”?
細かなハンドリングの技術などの問題を除くと、インバートドリブルでズレが出来ない原因は、
レッグスルー後の移動距離が短い、又は遅い事
に集約されます。
山本柊輔選手の解説にあったように、インバートドリブルの重要なポイントは、
レッグスルーした方向に一歩踏み出し、本当に行くように見せることです。
一歩踏み出しているため、移動する際には、真横ではなく斜め後方に跳ぶ事になります。
リバウンドジャンプやレイアップシュートなどで、上方。前方に跳ぶ際に働く筋肉は、
体の後方にある殿筋や背中の筋肉の働きがとても重要になります。
しかし、インバートドリブルのように後方に跳ぶ動きは上述したような筋肉は働きません。
その代わり重要になるのが、太もも前方につく筋肉である大腿四頭筋です。
大腿四頭筋のトレーニング方法
大腿四頭筋は下図のように走行しています。
大腿四頭筋は
・大腿直筋
・中間広筋(大腿直筋の奥にあり図示はされておりません。)
・内側広筋
・外側広筋
以上の4筋で構成される有名な筋肉です。
大腿の前面を走行するため、働きは「膝を伸ばす」事が一番の役割です。
大腿四頭筋だけを狙ってトレーニングする方法もありますが、
様々な動きに伴って働く筋肉のため、動きの中で使える必要があります。
インバートドリブルの質向上に繋げるために、動きの中で大腿四頭筋が使われる動画をご紹介します。
また、上記の動画では大腿四頭筋だけでなく、体幹筋などを鍛える効果も狙えるエクササイズのためおすすめです。
大腿四頭筋トレーニングを行なっても変わらない場合
紹介した大腿四頭筋トレーニングでなかなか効果が出ない場合もあります。
原因として考えられる事は
・大腿四頭筋が硬くて上手く動いていない
・お皿の動きが硬くて大腿四頭筋の収縮力が伝達されていない
・基礎的な筋力が低い
・床反力が得られていない
事が考えられます。
以下で詳しく解説していきます。
大腿四頭筋が硬くて上手く動いていない
大腿四頭筋は長く走行し、重要な働きをする分、硬くなりやすい筋肉でもあります
硬く、柔軟性を失った筋肉は本来の収縮力を失い、機能低下する事が多くなります。
大腿四頭筋の硬さをチェックしましょう。
①うつ伏せになる
②他者に膝を曲げてもらい、踵とおしりが楽につくかをチェック
エリーテストで踵とおしりがつかない、又はつくけど、すごく反発されるような抵抗を感じる場合は大腿四頭筋が硬くなっている可能性があります。
小・中学生は「オスグッド」、成長期以降は「膝蓋腱炎」という障害にもつながりやすいためストレッチで解消しておきましょう。
お皿の動きが硬くて大腿四頭筋の収縮力が伝達されていない
大腿四頭筋と膝のお皿(膝蓋骨)の関係性を解説します。
下の図は膝を横から見た図になります。
大腿四頭筋ー膝蓋骨ー膝蓋腱ー脛骨(すね)と繋がっています。
大腿四頭筋が収縮すると、膝蓋骨は上方に動きます。
これ以上細かい説明はここでは省きますが、
膝蓋骨の動きが硬くなっていると、大腿四頭筋の力が上手く脛骨に伝達されなくなります。
そのため、膝蓋骨の動きも柔軟にしておく必要があります。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、膝蓋骨を動かすマッサージ方法を
膝蓋骨モビライゼーションと言います。
実施方法は以下の動画を参考にして下さい。
基礎的な筋力が低い
紹介した大腿四頭筋トレーニングは、体幹や大腿四頭筋以外の下肢の筋力も働来ます。
つまり、体幹・下肢の筋力が弱い選手にとってはレベルの高いトレーニングになり得ます。
レベルが高すぎるとトレーニングの効率は低下します。
その場合は、大腿四頭筋を単独で鍛えるトレーニングを実施する事をおすすめします。
床反力が得られていない
物理の授業で習う、”作用反作用の法則”を覚えてますでしょうか?
作用反作用の法則=物体に力を加えると必ず逆向きの力が現れるという物理の法則です。
つまり、切り返すために、
足で床を押すと、床ら足を押し返してくる力が生まれます。これが”床反力”です。
この床反力が発生した時は自然に反対方向へ向かうエネルギーが発生します。
しかし、この時、体幹が不安定では床反力を得る事が出来ません。
動きの中で体幹を真っ直ぐにし、安定させる力が必要になります。
トレーニング方法は様々ありますが、一例をご紹介します。
また、床反力を得てより大きな力を得るためには、筋肉の伸長反射を利用するとさらに効果が高まります。
以下に詳しく解説した記事もありますので参考にしてみて下さい。
>>筋肉量だけじゃない! 瞬発力のある選手はこんなトレーニングをする!
まとめ
ガードの選手が一度は誰もが悩むであろうボール運びを楽にするスキルを紹介しました。
インバートドリブルを行い、ディフェンスとのずれを大きくする最も大事なポイントは
大腿四頭筋の筋力です。
そして、トレーニングしても効果でない場合は以下のポイントを押さえる必要があります。
・大腿四頭筋が硬くて上手く動いていない
・お皿の動きが硬くて大腿四頭筋の収縮力が伝達されていない
・基礎的な筋力が低い
・床反力が得られていない
今回の記事を参考に、安定したボール運びの出来る選手を目指してみて下さい。
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