ガードを任される選手にとってドリブルスキルは重要です。
特に、相手のレベルが上がるとボール運びを行う事は大変。
「フロントコートに運べない・・」
「相手のプレッシャーが強くて前に進めない・・」
「ドリブルが怖い・・」
ボール運びを行う選手はこんな思いをした事があるのではないでしょうか?
筆者も30年ほどバスケに携わり、ほぼ全ての時間をガードとしてプレーしたため、気持ちは痛いほど理解しているつもりです。
この記事はそんな悩みを抱える選手へ向けて作成しました。
相手のディフェンスからのプレッシャーから解放され、安全にボール運びを遂行する事が可能になるスキルが“オープンロール”です。
このオープンロールは、スピードに自信がない選手に特におすすめしたいスキルです。
・ボール運びに有効なオープンロールとはどんなスキルか?
・オープンロール上達に必要なトレーニング・筋肉の使い方
オープンロールとは?
相手ディフェンスと対峙した際に、行うロールターンの一つ。
通常多く行われるロールターンとは、ターンをする直前に前に出ている足に違いがあります。
・通常のロールターン=左側にターンするなら左足前で止まる
・オープンロール=左側にターンするなら右足前で止まる
分かりやすく説明され、実施方法も解説されている動画をご紹介します。
オープンロールが有効なシチュエーション
オープンロールはボール運びを楽にするスキルです。
例えば、下図のように、PGがボールを運ぶ際に、左にアタックするアクションをしたとします。
左へのアタックに反応した直後にオープンロールをすると、ディフェンスとの大きなズレを作る事に成功します。
すると、下図のように広いスペースが生まれるため、プレッシャーを感じる事なく、ドリブルでボールを運ぶ事が出来ます。
オープンロール上達におすすめのトレーニング
オープンロールは斜め前に踏み出した足が速く戻ってくる事で、ディフェンスとのズレが発生します。
踏み込みを鍛える代表的なトレーニングに“ランジ”があります。
ランジにも数種類ありますが、今回の記事では
・前方に踏み出す”フォワードランジ”
・側方に踏み出す”サイドランジ”
の2種類を取り上げます。
フォワードランジ、サイドランジの2種類が紹介されていました。
この2種類は使われる筋肉が異なります。
オープンロールでは、丁度上記の中間である斜め前に足を踏み出します。
そのため、オープンロールを上達させるためにはこの2方向がどちらもスムーズに行える必要があります。
また、ランジ動作がスムーズに実施されるためには、”パワーポジション”がうまく取れる必要があります。
パワーポジションがどんなものかご存知ない方、うまく出来ない選手は以下のリンクを先に確認する事をおすすめします。
↓
>>理学療法士直伝「パワーポジション」を作るストレッチ・トレーニング
以下では、それぞれで働く筋肉とトレーニングの仕方を紹介していきます。
フォワードランジに働く筋肉
主に働く筋肉は以下の4つです。
・腸腰筋
・大腿四頭筋
・大殿筋
腸腰筋は下部の脊柱・骨盤から体の前を通って太ももの骨である大腿骨に付着します。
腸腰筋がしっかり働くことで素早く踏み出す事が可能になります。
腸腰筋のおすすめのトレーニング方法が解説された動画をご紹介します。
大腿四頭筋は
・大腿直筋
・内側広筋
・外側広筋
・中間広筋(図にはありませんが)
の4筋を合わせた呼称です。
大腿四頭筋が働く事で、踏み込んだ足にブレーキをかける作用が働き素早く足を戻す事につながります。
大腿四頭筋のトレーニングの方法は以下の動画をご参照ください。
大殿筋はお尻の筋肉です。
お尻の筋肉は非常に大きな力を発揮する筋肉のため、アスリートは必須で鍛えるべき筋肉です。
その中でも大殿筋は最も大きな筋肉のため重要です。
大腿四頭筋と同様、フォワードランジにおいてはブレーキの役割を果たしてくれます。
大殿筋のおすすめのトレーニング方法もご紹介します。
サイドランジに働く筋肉
主に働く筋肉は以下の3つです。
・大腿四頭筋
・大殿筋
・中殿筋
大腿四頭筋と大殿筋はサイドランジになっても同じく重要な筋肉です。
サイドになると働きが強くなるのが中殿筋です。
下の図は後面から見たものです。
中殿筋はお尻の後面、上外側に存在します。
中殿筋は大殿筋ほど大きな筋肉ではありませんが、横の動きを出す・制御するのに重要な役割を担っています。
中殿筋は意識して使用しないとすぐに筋力低下しやすい筋肉です。
トレーニングの方法が解説された動画をご紹介します。
トレーニングで意識すること
スクワットなど、自分の体重+重力がかかるようなトレーニングは様々な筋肉が同時に働くため効率の良いトレーニングと言われています。
そのようなトレーニングに比べると紹介したトレーニングは負荷が物足りなく感じるかもしれません。
しかし、スクワットなどでは狙った筋肉を選択的に鍛えるのが難しくなります。
簡単に説明すると、自分の得意な強い筋肉はたくさん使い、弱い筋肉は使わずに動いてしまう事が多くあります。
それを解消するために、自分はどの筋肉が働いていないのかをチェックしてみて下さい。
実施してみて特に「きつい」、「うまくいかない」と感じるものを実施する事をおすすめします。
まとめ
・オープンロールは通常のロールターンよりも、ディフェンスとのズレを大きく生み出すスキル
・オープンロールの技術向上にはフォワード・サイドランジの動作練習がおすすめ
・ランジ動作に必要な筋肉は大腿四頭筋、大殿筋、腸腰筋、中殿筋
以上が今回の記事のまとめです。
オープンロールのスキル獲得によって、より安全に余裕を持ってボール運びを実施できる選手を目指してみて下さい。
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