【ミニバス】子供が上手くならない・・保護者のすべき事は?

保護者向け

「ミニバスは楽しんでやるもの」

「仲間を作るのが一番」

「勝ち負け、上手い・下手よりも大切な事がある!」

小学生のスポーツ現場ではよくこんな事が言われます。

全て正しいと思いますが、保護者の方々はこんな事を思った事はないでしょうか?

「うちの子はどうしてこんなに上手くならないんだろう・・・」

私はミニバスの指導者兼、保護者のため気持ちが痛いほどわかります。

せっかく練習しているんだから上手くなってほしい。

一生懸命、練習のサポートをしている方ほど思ってしまうと思います。

この記事はそんな我が子の成長にもやもやしている方に向けて作成しました。

筆者はミニバスコーチとして日々、たくさんの子供達を指導しています。

子供が上達するために必要なおすすめの保護者の接し方をまとめました。

ポイントは以下の通りです。

子供を上達させる親の接し方

・「なぜ?」の心を育てる

・安心感を与える・褒める

・指導じゃなくて質問する

「なぜ?」の心を育てる

上達の早い選手は色々な事に興味を持つ場合が多いです。

「海はなぜ青いんだろう?」「風はなぜ吹くのだろう?」

など幼少期に備わっている「なぜ?なぜ?」を持っています。

ゆえにバスケットの場面ではこんな疑問を持ちます

「なぜ、あの選手のドリブルは相手を簡単に抜けるのだろう?」

「なぜ、あの選手のシュートはブロックされないのだろう?」

「何が自分と違うのだろう?」

これすごく大切です。

スラムダンクの主人公、桜木花道も実はそんな人物です。

「なぜ俺の庶民シュートは入らないんだ・・流川は確かもっとフワッと・・・」

「ゴリ!ファールをしないこつを教えてくれ!」

「もっと高く飛んだ方が入るかな?明日親父に聞いてみよう。」

圧倒的な身体能力に目が行きがちですが、桜木花道の本当の凄さはこんな風に自らのプレーを自主的に振り返り、改善しようと努力を行うところではないでしょうか?

自発的に考え、工夫し行動する。

こんな選手が上手にならないわけはありません。

こんな心を育てるために保護者ができる事はたくさんあります。

①子供の意見を否定しない

②新しい体験を出来る環境に連れて行く

①子供の意見を否定しない

子供は大人が考えている以上に色々な事を考えています。

幼少期には的外れでも自分の意見を主張する子がほとんどです。

小学生になり学年が上がるにつれて自分の意見を発さなくなる子が増えます。

その原因の一つになっているのが、

「自分よりも大人の方が正解を知っている」

「何か言っても、そうじゃないと反論されて終わり」

と考えてしまう事が多々あります。

子供の発言に対しての第一声が「違う!そうじゃない!」になっていないかを今一度確認すべきかもしれません。

②新しい体験を出来る環境に連れて行く

新しい体験はわからない事だらけ。

そのため、自然と「なぜ?」が増えます。

・旅行

・キャンプ

・アミューズメントパーク

・料理

・DIY

・ゲーム

様々なものがあります。

親が一生懸命になるほどついつい

「遊んでいる暇があったら練習したら?この前の試合でも・・・・」

となりがちです。

一生懸命に子供の活動を応援・サポートする事を決して否定はしません。

しかし、時にはバスケットから離れて色々な体験をする事が必要だと筆者は思います。

「なぜ、この土地は電柱がないんだろう?」

「なぜ、テントがこんなに歪んでいるのだろう?」

「なぜ・・・・・」

こんな風に積極的に疑問を持つ心を育ててあげましょう

必ずバスケットにもつながります。

安心感を与える・褒める

親は家族を支えるためほとんどの方が仕事・家事に奮闘していると思います。

苦手なお客さんに会いに行かなきゃいけない。大切なプレゼンがあって胃が痛い。今日は座ってパソコン作業も頭が痛くてしたくない。洗濯は明日にしよう。掃除は今日は妥協しよう。

これと戦うのは簡単ではありません。

仕事を頑張る。家族のため家事をしっかりこなす。

毎日のように頑張ってる親はすごいです。

そして、それと同じように子供は毎日コートの上で戦っています。

「今日は上手くプレーできるかな?」

「コーチに怒られたくないな」

「○○にまた嫌なことを言われたらどうしよう・・・」

親にも言わないような様々な不安を抱えながら、日々頑張っています。

チームメイトと喧嘩して顔を合わせたくない、足が痛い・すごく疲れているなど、練習に行きたくない日もあるでしょう。

そんな葛藤と戦って頑張っています。

やると決めた習い事、スポーツを続けているだけでもすごい事です。

そんなお子さんを家庭では是非労ってあげて下さい。

ポシティブな声かけは心理学の分野でも効果がある事がわかっています

これについてSNS、Xで非常にわかりやすく解説してくれている方がいます。

フィールドホッケーコーチ Kyohei Tomitaさんです。

全中での優勝経験をお持ちで、毎朝ためになるコーチングの知識を発信してくださっている方です。

2024年11月3日のポストをご紹介します。

以下、引用です。

人は期待された通りに動く  

【ゴーレム効果とピグマリオン効果】      

周囲からの期待が人の行動や成績に影響を与える心理学的な現象です。

ゴーレム効果とは、他者からの低い期待がその人に悪影響を及ぼし、成績や行動が実際に期待通り悪くなってしまう現象です。

一方、ピグマリオン効果は、高い期待が良い影響を与え、期待通りの成果を引き出しやすくなる現象を指します。

例えば、トイレで「汚さないで」ではなく「綺麗に使って頂きありがとうございます」と書かれている事が多いですよね。 これは、ポジティブな期待を示すことで、利用者に「綺麗に使おう」という意識を持たせることを狙っていると思われます。

「汚さないで」と書くと、利用者は「汚れるかもしれない」という否定的なイメージを持ちがちですが、「綺麗に使って頂きありがとうございます」というメッセージには、その期待に応えようとする心理が働きやすくなります。

言葉の選び方は受け手の意識や行動に大きな影響を与えます。

「ミスをするな」と言われるとミスに意識が向いてしまうため、「積極的にいこう」と伝える方がポジティブなイメージを持たせやすくなります。  

言葉の選び方を工夫することで、相手に良い影響を与えます。

言葉一つ一つを意識して使いたいですね。

2024年11月3日 Kyohei Tomita(ホッケーコーチ・トミさんのメモ)より引用

「今日もお疲れさま!」

「今日も頑張って走ってたね!」

「前よりシュートがだいぶ入るようになったんじゃない?」

プレーに関してはそんなポジティブな声がけで親は十分だと思います。

そのポジティブな期待にお子さんが応えてくれる事を信じましょう。

叱るのはコーチにお任せして大丈夫です。

※プレー以外の問題が度々みられるのであれば親から叱っても問題ありません。

例)返事をしない。チームメイトに嫌がらせをするなど・・・

指導じゃなくて質問する

上述したように基本は家では労ってあげるだけで十分だと筆者は思います。

しかし、親がバスケット経験者だとそうもいかない事があると思います。

口出ししない方が良いとわかっていてもついつい、上手くプレー出来ない我が子にダメ出しをしてしまうのは経験者親のあるあるです。

親のアドバイスが奏功する事もあります。

日本代表で活躍する富樫勇輝選手の正確なフローターシュートは父から教わったものだそうです。

どうしても口出ししてしまう方におすすめなのは

「指導」→「質問」に変える事。

「あの場面ではユーロステップを踏んで、ディフェンスをかわして・・・・」

→「あの場面の時、○○はどうしてジャンプシュートを選択したの?」

「ボール運びでそんなにボールチェンジばっかりしたらミスが増えるし時間がかかるから、こうやってフェイクして・・・チェンジしないでこうやってドリブルするんだ!」

→「○○はボール運びの時ってどんな事を考えて運んでいるの?」

こうやって質問をすると子供が自身のプレーを客観的に振り返るきっかけになります。

質問後は以下のような反応が返ってきます。

①子供がしっかり意見を述べ、親も納得するような答えが返ってくる

②しっかり意見を述べるが的外れな答えが返ってくる。

③特に考えはなく「他にいい方法があるの?」と疑問を持つ

④疲れきって質問されるだけでもうんざり

①これが返ってくれば、それ以上のアドバイスは全く必要ありません。

「しっかり考えてプレーしてるんだなぁ。すごいよ。」と褒めてあげるだけで十分です。

②この場合は追加質問して良いケースですが、熱のこもった指導にならないよう気をつけましょう。

「あーそういう考えでプレーしていたんだね、でもこのケースだとどう?他の方法はどんな方法がある?」

こんな具合に子供の発想をどんどん引き出しましょう。

③相手が求めてきた時は、「指導」を行ってもよいかもしれません。

相手の熱量を上回らない程度にご自身の考えを伝えてあげて下さい。

ただ、チームのコーチと違う指導方法になる可能性があることは忘れないようにして下さい。

「父さん(母さん)はこう思うけど、コーチに違う指導をされたらコーチに合わせてね。」

と伝えておくと子供が迷う事は少なくなるでしょう。

④スポーツは体力、精神力を大きく消耗します。

長い練習・試合の後は話す気力も残っていない事もあります。

この状態はしっかり休ませてあげて、落ち着いたら話をしてみるのがベストでしょう。

まとめ

この記事のポイントは以下の3点でした。

子供を上達させる親の接し方

・「なぜ?」の心を育てる

・安心感を与える・褒める

・指導じゃなくて質問する

筆者が普段指導している子供の中にも上達が早い・上手な子がたくさんいます。

もちろん例外もありますが、上手な子の親は穏やかで子供との関係も良好な場合が多い印象を受けます。

厳しいスパルタ指導は短期的にみると、効果を感じやすいかもしれません。

しかし、長期的に子供が伸び続けるには、子供の自主性を育てる事は必須です。

この力はスポーツだけでなく、社会生活でも必ず役に立ちます。

「親」という漢字は、【木の上に立って、見る】と書きます。

お子さんがしっかりと自分で成長する事を信じ、暖かく見守ってあげる事が大事だと私は思います。

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